◆ はじめに|「空き家にお金なんてかからない」は大きな誤解
「人が住まなくなったら、もうお金はかからないでしょ?」
そう思って放置している実家が、数年後に“大きな出費リスト”を生み出すことは珍しくありません。
空き家は、手をつけないほどコストが膨らんでいく資産です。
この記事では、実際によくある“想定外の出費”を7つ紹介し、事前に備えるべき対策まで解説します。
① 解体費用|木造2階建てで100万~200万円が目安
「最終的には更地にして売ればいい」と考えていても、解体費用が想像以上に高額で驚く人は多いです。
- 一般的な木造住宅(30坪前後)…120〜180万円
- 基礎が深い・庭木が多い・重機が入りにくい土地 → プラス数十万円
- アスベスト含有や近隣対応の必要 → 最大で300万円超も
▶ 補助金制度がある自治体もあるので、事前確認を。
▶ 解体は“売却前提”の土地整理にも関わるため、慎重な段取りが必要です。
② 仏壇・神棚・遺影の“処分と供養費”
遺品整理の中で最もデリケートなのが、仏壇・神棚・遺影などの宗教的なもの。
ただの不用品回収では済まず、供養・お焚き上げを要するケースが多いです。
- 仏壇供養:3万〜10万円前後(運搬費別)
- 遺影・位牌など:1点数千円〜
- 僧侶派遣:法要+お焚き上げで5万〜15万円
▶ 家族間で価値観が合わないとトラブルになるので、早めの相談と共有が大切です。
③ 害獣・害虫の駆除費用
空き家になった瞬間から、ネズミ・ハクビシン・シロアリ・アライグマなどの“侵入ターゲット”になります。
- 小動物の追い出し・封鎖工事:5万〜30万円
- 屋根裏糞尿清掃+消毒:10万〜50万円
- シロアリ駆除:10万〜20万円前後(再発も多い)
▶ 害獣は一度住み着くと、糞害・断熱材破壊・ニオイ汚染など、深刻な被害を及ぼします。
▶ 空き家こそ定期的な気配チェックと早期対応が鍵です。
④ 固定資産税の“増額”リスク(特定空き家指定)
外観や屋根の一部でも破損が進んでくると、
自治体から「特定空き家」に指定され、固定資産税の優遇が外れる場合があります。
- 通常:住宅用地の特例で1/6に軽減
- 指定後:住宅扱いから外れ、6倍の税額になることも
- 年額が5万円→30万円近くになるケースも報告あり
▶ 外観を整えていれば回避できるケースもあるため、“外から見える状態”の維持が重要です。
⑤ 火災保険の切り替え・再契約
空き家になると、一般の火災保険では補償されなくなるケースが多くあります。
- 空き家用の保険は「補償が限定されて保険料は割高」
- 放置して火災・漏電が起きた場合、保険適用外で全損扱いに
▶ 通電・通水・定期巡回などの条件付きで契約できる保険もあるため、状態に合わせた保険の見直しが必須です。
⑥ 郵便物や敷地内不法投棄の回収処理費
空き家は、郵便物・広告・ゴミがたまるとすぐに“無人バレ”します。
すると、不法投棄や勝手な駐車などトラブルの温床に。
- 郵便転送忘れ → 書類紛失・個人情報流出
- ゴミ不法投棄 → 片付け・回収業者に数万円の出費
- 苦情から行政指導 → 原状回復を迫られることも
▶ ポスト撤去・カメラ設置・地域住民との関係維持が効果的です。
⑦ 除草・庭木の伐採・剪定費用
空き家の外構部分、とくに庭木と雑草は予想以上に成長が早く、管理コストも高いです。
- 除草費用:1回3万〜10万円(敷地面積による)
- 高木の伐採:1本1万〜3万円以上
- 隣家越境でのトラブル → 損害賠償事例も
▶ 放置すると外観劣化で「特定空き家」指定につながるため、毎年の予算化が必要です。
◆ まとめ|「持っているだけ」で膨らむコストに備えよう
空き家は、放っておいてもお金がかかる“隠れランニングコスト”の塊です。
しかも、それは徐々にではなく、ある日突然「請求」としてやってきます。
想定外の出費を「想定内」に変えるには、情報と準備がすべて。
所有しているなら、できるだけ早く:
- 今後使うか売るかの方針を決める
- 解体・保険・登記の費用をざっくり見積もっておく
- 家族間で“空き家の将来”について話し合う
など、動き始めることをおすすめします。
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