◆ はじめに|空き家=ブレーカーOFFは正解じゃない?

「空き家は誰も使ってないから、ブレーカーは落としておこう」
そんなふうに思っていませんか?

実はそれ、住宅設備にとっては“逆効果”になることがあるんです。
特にエコキュートや冷蔵庫、分電盤などの機器は「定期的な通電」が前提で設計されています。

つまり、電気を切ったまま長期間放置すると、
内部パーツや制御基板の劣化が進行してしまうというわけです。

◆ 通電してないと壊れる設備とは?

● エコキュート(電気給湯器)

  • 長期間電源を切ると「基板」や「センサー」が劣化する
  • タンク内の水が腐敗・サビが発生しやすくなる
  • 再通電時に誤作動や異常音が出るケースも

▶ 使用しない場合でも、月1回程度の通電&動作確認が推奨されています。

● 冷蔵庫

  • 一度電源を切ると、コンプレッサーが固着する可能性
  • 長期放置でゴムパッキンや内部配線が劣化
  • 再稼働時に“冷えない”などの不具合が多発

▶ 完全停止ではなく、最低限の電源維持 or コンセントを抜いた後の適切な清掃&開放保管が重要です。

● 分電盤(配電盤)・ブレーカー

  • ブレーカーを長期間落としておくと、内部接点に酸化やホコリの影響
  • 再通電時にスパークや過電流のリスク
  • 特に湿度の高い地域では“サビ”や“結露”による故障事例も

▶ 定期的に主幹ブレーカーのみONにして通電チェックを行うと安心です。

◆ どうすればいい?空き家の“通電”メンテナンス

✅ 1. エコキュートは「月1通電+湯張り」が理想

  • 通電して“試運転モード”を起動(各メーカーの手順に従う)
  • 湯張りをして、タンクと配管の循環を確認
  • 使用後は水抜きするのがベスト

✅ 2. 冷蔵庫は“開けたまま保管”+定期清掃

  • 使用しない場合は、コンセントを抜いて扉を開けておく
  • 月1で庫内を乾拭き/パッキンのカビ予防
  • カビ臭・腐食対策に重曹や活性炭を置くのも有効

✅ 3. 月1回の“ブレーカーON確認”を習慣に

  • すべてのブレーカーをONにして、通電の状態を確認
  • 雨の日を避けて、乾いた天気のタイミングで実施
  • ブレーカーに触る前後に、手は乾いた状態で

◆ 補足:電気料金がかかるのは最小限

「通電=電気代がかさむのでは?」という不安もありますが、
最低限の通電や試運転だけなら、月数百円程度で済むケースがほとんどです。

逆に、通電しないことでエコキュートの修理に数万円、
冷蔵庫の買い替えに10万円…なんてことになるほうがはるかにコスト大。

◆ まとめ|“動かさない設備ほど壊れやすい”という落とし穴

空き家の設備は、「使わないから安心」ではなく、
使っていないからこそ“壊れやすい”という特徴を持ちます。

とくに以下の設備は、長期間の放置NG:

  • エコキュート
  • 冷蔵庫
  • 配電盤・ブレーカー

月1回の通電チェックと軽い動作確認が、設備を守る最大のメンテナンスです。
「将来使うつもりだったのに壊れてた」なんてことにならないよう、今から習慣化しておきましょう。